あいちトリエンナーレ2019 情の時代 感想①愛知芸術文化センター

あいちトリエンナーレ2019の感想を綴っております。

 

2019.09.14

初めて名古屋に来た。名古屋駅では降りず愛知芸術文化センターの最寄駅の栄町まで地下鉄東山線で行く。地下鉄案内による出口を出ると、目の前に芸術文化センターと、あいちトリエンナーレの駅のポスターに載っていたオアシス21があった。

まずはチケットを買いに芸術文化センターの10階に。2日以上観る予定なのでフリーパスを買う。(あいトリはスタンプラリーは無いのね…無くても良いんだけどアレがあると今どれだけ作品を見終わったか、何を見てないかが一目で分かるんだけどね。)

 

※A01a、A01b、A04、A07は”表現の不自由展、その後”の展示中止の抗議の為、この時は展示一時中止

 

愛知芸術文化センター(10階)

A01a、A01b.ロミオ :ドラ・ガルシア

※展示一時中止(展示内容の変更)

数名の男の人達が映る数枚のポスターに意味深な説明文がある、ここに映る人物達が会場内にいて親しげに話しかけてくる、とか。

今回の騒動(”表現の不自由展、その後”の展示中止)に対しての抗議の張り紙が中央に貼ってあり、背景のポスターが本来の作品なのか講義のために差し替えたものなのかは分からない。

 

A02.The Kiss :エキソニモ

巨大な2つの手にスマホが持たされていてそこに映っているのは人の、目を閉じた顔、その画面をくっつけ合わせてるので、両面とも観るとモニターに映った顔がキスをしているように見える。間接的なコミュニケーションの何かを表しているのか?

 

A03.欲望の構造 :アマンダ・マルチネス

厚みのある決まった形状のものを繰り返しに何枚も重ねて、寄せ集めて一つのものにしている、1作品ごとに色は単色。エンジであったり、白であったり…

単調のようで変化がある、みる角度によって凹凸が見えてきたり、単純な繰返しなのに見ているうちにだんだん引き寄せられる。

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A04.LA FIESTA#latinos in japan :レジーナ・ホセ・ガリンド

※展示一時中止(展示内容の変更)

暗転されていて見れなかった。

 

A05.60分間の笑顔 :アンナ・ヴィット

8人のスーツを着た西洋人の男女が笑顔で60分間の立ち続ける映像作品。作品の説明を読んで映像を見ていると、笑顔で立ち続けていることが苦痛に感じているようにも見えてくるが、説明を読んだせいでそう見えるように誘導されてしまっていたのか?

最後まで60分見続けることが出来たら何があったのか?名古屋までの新幹線で約1時間半立ちっぱなしだったので、この時点で足がすでに痛すぎで多分15分くらいしかここにいることが出来なかった。立ちながら見てる自分も15分だけでも、彼らのように?辛かった。

 

A06.孤独のボキャブラリー :ウーゴ・ロンディノーネ

まるで今にも動き出しそうな45体のピエロの彫刻一体一体が一人の人間が1日に行う孤独な動作を示しているそうな。カラフルで楽しげな衣装のピエロが静止して寝ているかのように目を閉じている。このピエロの合間を歩いて鑑賞する。

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ピエロの横に座って同じポーズをして写真を撮ったり、例によってインスタ目的で写真を撮ってる風な人をみかける。このピエロなんで今にも動きだしそうなんだろ?コンテンポラリーダンスのような舞台芸術の中に入り込んでしまったみたいな、不思議な感覚。ピエロの顔はお面になってるので一様な表情なのに感情を何かを隠してるようにもみえる。マネキンとか彫刻だと認識していれば動かないに決まっているのに、如何にも”彫刻”っていうそれとは違う。

 

A07.…でも、あなたは私のものと一緒にいられる… :クラウディア・マルティネス・ガライ

※展示一時中止(展示内容の変更)

暗転されていて見れなかった。

 

A08.「Function Conposition」「Semantic Segmentation」Transation Zone :永田康祐

実物と、実物を撮った写真の印刷物を重ね合わせていて、それがさらに印刷物として作品になっている。

 

A09.「2と3、もしくはそれ以外(わたしと彼女)」:石場文子

日常にある風景の写真の一部が縁取りされることで、そこに目がいったり、或いは後から付け足された様にも見え、一味違う見え方になり、題名とも相まってその風景に作者は何を見たのか、想像してしまう。

 

A10.Decoy-walking :村山悟郎

手前の部屋はスマホの顔認証の不思議をテーマにした部屋、奥はあまりよく見てないが、人間が歩くことに注目した作品。

 

A11.抽象・家族 :田中功起

見た覚えがない

 

A12.モダンファート 創刊号

特集 没入感とアート

あるいはプロジェクションマッピングへの異常な愛情(伊藤ガビン)

※整理券を入手して時間が来ないと見れなかったので、見なかった。

 

A13.Stranger Visions, Dublin: Sample 6 :ヘザー・デューイ=ハグボーグ

作品の説明にある、街中に落ちているゴミからDNAを採取してそれから3Dプリンターで顔を再現する、ってどういうことだろう?理屈もわからないし、想像に難しい。

が、神経症的発想かもしれないが私も以前から家庭のゴミを出す時に汚物や髪からDNAを採取できるんじゃないか(サスペンスとかで見たのかもしれない)と思い、ホテルでも髪を残していくことにあまり良い気分はしないので、いつの間に採取されて自分のクローンが生み出されてたら怖いな、と思っていたが、それに近いことがアート作品としてこうして出てくるとは。

ネットで調べたらアーティストからのこういうコメントを見つけた。

「多少気味が悪いと思われても構わない。狙いはこの問題を認識してもらい、こんなことが可能だと知ってもらうことにある」「このプロジェクトの意図は芸術と技術と科学が交差する部分での探究であり、挑発でもある」

今回の芸術祭はなかなか近代的な科学技術の進化などの発想の作品が多い。アートなんだか科学なんだか、表現の手法としてはアート、なのか?

 

A14.ラストワーズ/タイプトレース :dividual inc.

何人もの人が遺言を大事な人宛に書く過程をコンピュータが記憶して画面で見せてる作品。この作品の為に死ぬことを想定させて書かせたのか?まさか実際死ぬ人に書かせたってことはないだろうから、文面に少し感情移入しにくい。泣かせるためにやってるわけじゃないよね、一個一個全てを読めば何かが伝わってきたか?あいにく近くにあるモニターの数人の遺言しか読まなかった。

ちょっと足が疲れてきた。

 

A15.Untitled(Static):シール・フロイヤー

※この作品は見落とした。奥の突き当たりにあったような?作品なのか、建物の一部なのか分からなかった。

 

A16.「なにもない風景を眺める」 ほか :文屋有佳里

黒い細い線だけで描いた動きのある何を描いてるのか分からない独特な絵、この部屋に入った瞬間に展示室の一番奥の面の展示が、昔、自分が美大時代に作った作品に似てる、となんとなくと思った。作品が飾られているガラスケースの面、つまり手前にも黒い線で絵が描かれていて、手前の絵を透過して後ろの絵が見えて、前と後ろで重なって絵になってる。

 

A17.「その後を、想像する」:菅俊一

次はこうなるんだろうと想像してしまう人間の脳の不思議を題材にしたアニメーション、こういうのは一般的に分かりやすいよね、って裏側に隠された深い意図があるのか?嫌、深く探るも良し、見たまま感じたままでも良し。

 

A18A、A18b.ドローンの影 :ジェームズ・ブライドル

10階の窓から見下ろすと建物入り口の前のスペースにドローンの影を模ったラインが大きく描かれていた。下を歩いてる時は全く気付かなかったけど、こんなのが描かれていたのね。影を描ける技術の面白さ、だろうか?

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次は名古屋市美術館に向かう。

 

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