大地の芸術祭2018 感想①まつだい駅

 

まつだい駅

2018.08.17
ほくほく線まつだい駅(無人駅)に始めて降り立つ。駅を出たらすぐに2つのアートが目に飛び込んでくる。

左 D001:棚田 (イリヤ&エミリア・カバコフ)
右 D061:花咲ける妻有 (草間彌生)

 

仕事を離れ芸術祭にまた来れたんだという気持ちで嬉しくなる。まつだい駅無人駅で駅員も居ないくらいだが、芸術祭をやるようになって建てられたと思われる併設の建物にガイドブック、マップ、パスポートを売っている専用の売り場スペースがあり、コンビニと、そこで買ったものを食べられる机椅子があり便利。
まつだい駅で買った芸術祭マップを確認して、まずは駅の北側の作品を見て回ろう、と決める。
駅を出て駅前の通りをまず右手、右周りに周る。作品が出てくる前にこの地方の独特の家の作りに目がいく。雪国だからだろうと想像されるがどの家も3階建てで1階部分はコンクリートで出来ている。その上に木造なのか軽量鉄骨造なのか家が乗っかっている。基礎部分が1階まで延びてる感じ。雪で埋まってしまう1階には多分部屋とかはない。

 

D099:創作の庭 (土屋公雄)

道路が交差する角の敷地に1つ目の作品。必要なものしかない田舎の風景からすると凝ったつくりの庭なので、すぐに作品だと分かった。真ん中に池、周りをぐるりと石畳と植栽の歩道?回遊出来る感じ。

D099:創作の庭 (土屋公雄)

 

D251:松代商店街周辺における土壁による修景プロジェクト(村木薫)
この作品は見落としたのか今ひとつ記憶にない。

 

D320:黄金の遊技場 (豊福亮)

道なりに歩いて右折、少し歩いたところの家屋が作品の会場だった。開始時間の5分前くらいに着いてしまったのでスタッフが丁度家の鍵を開けているところ。中に入って作品を見て、2010年の瀬戸内芸術祭でも見た船の作家と同じ人だと分かる。黄金に塗装したものが壁面にみっちり貼り付けられ世界観が同じ。元々この家屋にあったものなのか、急な階段(年寄は登れない、降りる時が怖い、階段から滑り落ちて作品を壊さないか心配した)を登ると2階にも独特の空間。今回は光の刺さない屋内なので黄金が黒光りしている。色使いは黄金の下地が青だったりする。仏像があったり仏教的な雰囲気もある。また古い家屋の匂いなのか、それとも作品からの匂いなのか、匂いもするし室温も自然のまま?微妙で全体的に異様な雰囲気であるが、またそれも面白い。

 

D354:カサバラタ (ムニール・ファトゥミ)

また歩いていると前方からなんか煙が出てるな、と思ったら作品だった。道路前面から見ると家から何本かの煙突が飛び出ていてそこから煙が出でいる。裏側に回ると家の壁面は道路側だけで3方はなく、家の内部?が見えるようになっていて、何台かのストーブがあって、そこから煙突が出ていてそれが外に出ている煙突につながっている。

D354:カサバラタ (ムニール・ファトゥミ)

 

D356:SF(summer fiction) (金氏徹平)

倉庫が丸々会場になっていて身の丈程の丸い筒穴から内部へ。内部は照明が当たっているところ以外は基本暗い。雪が降らない我々の地域では見たことがない除雪機(テレビのニュースでしか見たことなかったけど実物はかなり大きい)が4台位所狭しと置かれていて、人が喋っている音声が大音量で流れてるのだがよく聞くと、除雪作業に当たってる人が体験談を喋っている。重機には青い照明が、壁面には雪が吹雪いてるかのような動きのある照明が当たっているので、夜間の除雪作業をしているかのような空間だ。空調もしていなくて巨大扇風機が回ってるので室温は夏だけど、ちゃんと冬のような雰囲気が作られている。重機の間を移動しながら重機を見たり、壁面の抽象的な絵画や関連する動画を見たり。芸術祭に来れた感覚が実感できたのか、なんか面白くてテンションが上がった。

D356:SF(summer fiction) (金氏徹平)

 

駅の方へ戻る、川を越えて農舞台の方へ。

 

D061:花咲ける妻有 (草間彌生)

先程、まつだい駅に降り立った時にまず目に飛び込んで来た作品。やよいちゃんの水玉極彩色の巨大なお花。色鮮やかでPOP、広がりがあってエネルギーを感じる。

D061:花咲ける妻有 (草間彌生)

 

D054:まつだい住民博物館 (ジョゼップ・マリア・マルフィン)

カラフルな腰壁の細い板に名前。住人の名前?人感センサーのスピーカーに近づくと住民が声でこの地方の方言の言葉が出迎えてくれる。

 

少し小雨が降り始めた。

 

D060:かまぼこアートセンター (小澤剛)

まつだいの街を歩いていて、1階がコンクリートで出来ている家屋とともに、この地方特有の形の倉庫を各所で見かけた。正面から立面で見ると逆さのU字型。屋根が半円で屋根材がそのまま壁材となって延びている。かまぼこ型と言っても良いのかもしれない。それに注目して作ったのがきっとこの作品。マトリョシカのように大きいサイズから小さいサイズへと並んでいる。(作品解説によると魚眼レンズで中が観れたらしい、見なかった!)


D059:空と地の間にて(藤本修三)

瀬戸内芸術祭の沙弥島にあった作品と同じ。

 

D155:ゲロンパ大合唱(大西治・大西雅子)

ブリキのおもちゃを大きくしたような可愛いカエルのキャラクター。

 

D115:スキマをすすむ (ゼロゼロエスエス)

D185:サウンドパーク (岩井亜希子×大場陽子)

D125:地震計 (オノレ・ドゥオー)

D311:円-縁-演 (松田重仁)

D053:まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」(MVRDV)

 

D001:棚田 (イリヤ&エミリア・カバコフ)

農舞台の建物内部にこの作品を見る展望台があった。雑誌なんかで事前にこの作品の写真を見ていたが、ここから見ると棚田の農夫との間に文字があって、遠近法で、奥の棚田にいる青と黄色の農夫の間に、展望台の前に下がっている文字が重ならないように配置されている。絵本のようだ。文面は地元の農家からの聞き取り?

D001:棚田 (イリヤ&エミリア・カバコフ)

 

昼前にして雨が強くなってきた。あまりにも降りが強くて傘をさしながらでも屋外作品を観てまわれる、という状態ではない。南側、川の向こう側にアートが沢山あるようだが観賞は諦めて、室内でアートが見れそうな十日町の方へ移動することにする。