瀬戸内国際芸術祭の特殊?な楽しみ方~島の魅力と孤独を楽しむ~

近年、日本国内各所で毎年開催されるようになった芸術祭ですが

11年前、仕事でとっても息苦しかったころ、雑誌を見ていて目にとまり、ふと行ってみよう!と思ったのが、瀬戸内海の島々と高松港宇野港で来年(2022年)も開催される”瀬戸内国際芸術祭”でした。

最初に行ったのが2010年、それから2013年、2016年と3回行って…

2019年は前売りでチケットを買ったものの、この年は飼っていた猫2匹が相次いで亡くなるという悲劇に見舞われ、春夏秋と3シーズン開催される期間中、秋になってもどうしても気持ちが上がらずに、芸術を楽しむ気分になれなくて泣く泣くすっぽかしてしまいましたが(チケット勿体ない!)、

11年前から、3年に一度のこのアートのお祭りをいつも楽しみにしています。

 

瀬戸内国際芸術祭-島の開放感と孤独を楽しむ

他の芸術祭と異なる瀬戸内国際芸術祭ならではの魅力の一つといえば、

空と海を背景にとにかく空間的な開放感があり、それに加えて島に住む人の数が少ないことにより、都会のような窮屈さがないことではないでしょうか?

 

他の芸術祭や美術館等でも屋外に展示された芸術作品を見る場合に感じることもあるかもしれませんが、ここで感じる開放感はその比ではありません。

会場が瀬戸内海に浮かぶ島々であるため、島と島を移動する際のフェリーの海の上でのひと時や、

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フェリー(高松港→小豆島土庄港)

屋外の作品は、作品によってはどこまでも広がる空と海を背景にしていたり…

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Liminal Air -core-/高松港:瀬戸内国際芸術祭2010

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カモメの駐車場/女木島:瀬戸内国際芸術祭2010

作品と作品をめぐる移動時間も作品を見ている時も、背景の空、海のおかげで、と~~っても気持ちが良いんです。

また人が少ないことも、過疎化していることは島にとっては問題なのかもしれませんが、それだけ個人のパーソナルスペースが広くとれる、他人が侵入してくるストレスがないということなので、空間的に解放感があり魅力に感じます。

 

こうした開放感が魅力に感じるのは、元々人の少ない田舎に住んでいる方、海の近くに住んでいる方には環境的には当たり前のことで、都会のごみごみした環境で生活をしている人にしか感じられない魅力なのかもしれません。

 

人の多い都会では歩行していても、前を歩く人に合わせて歩幅を調整したり、向いから来る人とぶつからないよう進路を変更するために前方に気を配ったりと歩きながら無意識に気を使っていて、空を見るには、高い建物が密集して建っていて視界は建物に遮られているので、首を持ち上げ、建物と建物の切り取られた空を見上げるしかないのです。(人が多い、建物が密集しているということにストレスを感じるのは、私だけでしょうか。)

 

がしかし、

この地を初めて訪れた時、2010年の夏、島に移動するのにフェリーを利用し、乗船した本土の港が遠のいて360度見渡すかぎり海となり、陸での生活に慣れすぎていて海の上に浮かんでいる状態はちょっと怖い気持ちもありましたが、関東の海しか知らないのでまず瀬戸内海の海水のきれいさ、エネラルドブルーに感動し、そして何故か人が魅かれてしまう海の不思議な魅力、単調な波の音や気持ちよさに感動しました。

そして島に到着後、どんな島なのか島を楽しみたかったので作品と作品との間の移動をバスを使わずに割と徒歩で移動したのですが、作品の近くには観光客がいるのものの、作品から離れていくと家々があり島民の方が生活されている気配は感じるのですが人口密度が少ないせいか道路で人をほとんど見かけないまま、

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人はいないが道路脇のU字溝に色のきれいなカニ

誰にも会わないまま歩いていると誰もいない浜辺に出くわし、

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歩きながら見える景色

まるで無人島にいるような何かあっても誰も助けに来てくれない不安と同時に普段人目を気にする質なので誰にも見られていない気楽さと、海岸から遠くに本土が見えたりするのなら普段の我慢や窮屈な日常が遠いことのようで、旅の目的の一つが日常、仕事、しなければならない辛いことを忘れる現実逃避であるのなら、何も考えず無心で、でも島でしか見られない景色に感動しつつ島を歩くほどに、夏であれば汗だくになり体も適度に心地よく疲れ、不快な何かを洗い流せたようでもあり、心は晴れ晴れしていきます。

 

芸術祭なのだからアートが魅力的なのは言うまでもありませんが、この場所を使って開催されている、ならではの魅力は海と島の自然に癒されること、そして、島の人と交流するのも勿論ありですが、そうではなく社会や他人との距離をいつもより遠ざけて一人を楽しむことも出来るのです。

 

第1回目の2010年は夏の期間だけの開催だったのですが、第2回目の2013年から会期が春夏秋と3つの季節に分かれて開催されるようになった為、空、海、島の植物の季節による違いも感じることが出来るようになって、また参加する島の数も増えたため、それぞれの島の歴史や人口、採れるもの等、島の個性の違いもあり、より一層多様な楽しみ方が出来るようになっています。

またいつか他の魅力もお伝えできれば、と思います。