瀬戸内国祭芸術祭2022-春①沙弥島

2022.4.30

沙弥島(春会期のみ)

JR予讃線坂出駅で下車、シャトルバスで沙弥島案内所まで。沙弥島は瀬戸大橋の高松側の足元に位置している。

sm01.階層・地層・層:ターニャ・プレミンガー (2013〜)

2ルート頂上までの道がある芝で覆われた6メートルの小山。2016年に来た時は人がいっぱい居たので、小山に登らなかったが今回は人がちらほら程度だったので登った。ちょっとだけ高いだけなのに見下ろすと気持ちがいい。山頂から瀬戸大橋を眺めたりしていると瀬戸内海に来れた実感がわく。山頂はちょうど一人が立てる分のスペースしかない、山頂までの道はすれ違えない幅の道なので登ってくるor降りてくる人とぶつからないように2つある道の一つを選んで登るor降りる。

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山頂にカラスが一時止まっていた。カラスよ、芸術祭にわらわらと集まってくる人間を見て何を思った?自分もそうだけど芸術祭だからと言って各地からここに人が集まってくるのが面白い。

sm11.幻海をのぞく:南条嘉毅 (new!)

この作品はなんか心に刺さった。古い洋館の部屋を使った照度がかなり低い暗いインスタレーション作品で、明るいところ(海辺)から暗いところ(会場:古い洋館)へ入ったせい、とマスクをしてるのでメガネが曇ったせいで最初ほとんど何も見えなくて何が展示されてるのか分からないわ、足元は全く見えないわでお化け屋敷のようで前に進むのが怖くてしかたなかったのだけど、徐々に目が慣れてきて落ち着いてきたところで、順路の折返しのところにあった古い朽ちた鏡台の鏡を覗くと先程歩いてきた瀬戸内海の海辺が見えた。なぜ鏡を覗くと海が見えるのかといえば、海側を背にこの鏡台は配置してあり、鏡の裏側の塗料を削ってガラスだけにした部分から海が見えるようになっている。その見せ方が、汚れのないクリアなガラスからであれば現実とほぼ何も変わらない海が見える訳だがそうではなくて、暗い室内から曖昧に削り取った完全に透明でないガラスから見える海はぼんやりと見えにくく、時空の違う異世界から現実を覗いているようだったり、或いは鏡の中に想像のもう戻れない思い出の海が映っているかのように見えたり、そんな風に海が見えた。他にも古いレコードプレーヤー?からは海の波の音が聞こえたり、ラジオ?からは時計の針の音がした。(なにせ暗いのでレコードプレーヤーだったのかラジオだったのか定かではない。)局所を照らす光の使い方と時間の経過を感じさせる古いものの組み合わせ、あと音。音と暗さの効果で現実が遠ざかりセピア色の映画中に紛れ込んだかのような、不思議な世界の中に入れて面白かった。

sm12.月への道:レオニート・チシコフ (new!)

結局行かなかった去年のいちはらアートミックスでこの人の作品が小湊鉄道の各駅にあった気がする。北川フラムさんの芸術祭(瀬戸内国際、大地の、いちはら)は同じアーティストの作品が多い。この人の作品は月、宇宙をテーマにしている。旧沙弥小中学校が会場。

雪の天使
入ってすぐは映像作品、天使の羽をつけた作者が雪山を登って行きダイブする?空に太陽の様な星が描かれていて、吹雪く雪の中の孤独な人の背中、太陽の黄色、絵本のようで星の王子さまを想起して、うっすら寂しさを感じた。

人類の宇宙への移住
もう亡くなった人々の顔が宇宙空間の様な暗闇の中に光って上昇しつつ小さくなっていく。宇宙に小さく消えていく様は命の寿命を表しているように思え、古い写真や既に亡くなっている人の写真を作品に使われると儚い命の虚しさを感じる。

地球での最後の夜
3部屋に区切られた場所にそれぞれ展示。
1部屋目がよく覚えていない。2部屋目はチシコフさんの作品のシンボルのような宇宙服の人が座っていた。3部屋目は足元が砂、スリッパに履き替えて中に入る。床に家族の写真が置かれスポットライトが当たっている。題名からこの家族の誰かが宇宙へ行ったのか?

月への階段 あるいは柿本人麻呂の月
室内から外部に出て。階段の上に三日月を配した立体作品。三日月がアメリカアニメのチーズみたい🧀。家族連れの人達が子供が登り写真を撮ったりして楽しんでいた。柿本人麻呂の月、とは万葉集のこの歌の月のことであろうか?

天(あめ)の海に

雲の波立ち月の船

星の林に

漕(こ)ぎ隠る見ゆ

KETsの星
学者KETsの発明した宇宙ステーション、宇宙船の模型や科学者として監修した映画が展示されている。黒板に貼られた鉛筆画がファンタジックで可愛い。宇宙に対してのあくなき情熱が感じられる展示。

何世代にも渡って人々は宇宙に挑戦してきた、今もなお宇宙に魅了されている人がいる。神秘的な月、宇宙に魅せられる気持ちも分かる、と作品を見終わって思った。

 


sm10.八人九脚:藤本修三(2013〜)

sm12-1.月への道:レオニート・チシコフ(new!)

沙弥島エリアの上記2作品は2016年に見ている、会場が遠い(与島)の理由で鑑賞しなかった。

 

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高松港周辺

シャトルバスにて坂出駅へ戻り、JR予讃線高松駅へ。まだ明るいうちに高松駅に着いた。

tk04.待つ人/内海さん:本間純 (2013〜)

高松駅高速バスチケット売り場の正面の石のファサードにその位置の石を転写したアルミ板が時計と人の輪郭になって浮いている。見る角度によっては石の形、割れ目が一致していているので背景の石と同化する。見落としがちだが建物側面にはスーツケースもいた。

 

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高松グルメ(うどんは何度も食べてるので骨付き鳥が目当て)は明日でも良いか、と思いコンビニ飯を買いホテルにチェックイン、本日は終了。

 

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